睡眠の質を上げたい、ぐっすり眠りたい、その日の疲れはその日に解消したい、誰でもがそう思っていることでしょう。
でも睡眠時間はしっかりとったのに、なぜか朝起きた時に身体がだるい、首が痛い、腰が痛い、スッキリしない、そういった症状がある人が大勢います。
その原因はどこにあるのでしょうか?
もちろんその人その人で身体に問題を抱えている場合もありますが、その原因が寝具にある場合も多いのです。
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枕の悩み、枕の高さと体調不良
よく「脊椎がS字湾曲」という言葉を用いますが、これは人間が意識しないで自然体で立っている状態です。
この姿勢を睡眠時にリラックスさせるために枕は重要な役目を果たします。
枕に問題があると、首や肩を緊張させることになり様々な症状となって現れます。
熟睡できない、ストレスがかかる、朝起きたら首や肩が痛い、そしてそのほかの病気の要因をつくることにもなります。
そもそも自分が使っている枕は自分に合っているのか?高さはどうなのか?について模索する人がとても多く、睡眠に関しての悩みは尽きません。
枕は頭ではなく、首を支えつつ、首と頭の双方を安定させる役割があるのですが、「なんかしっくりこない」という感覚、微妙な差があることによる違和感を抱えたまま眠りについているのかもしれません。
頭はそもそもおよそ体重の10%弱の重みがあるため、それだけでも首へのダメージは大きいことがわかります。
では、どんな枕が身体に適しているのかを含め、探っていきましょう。
枕の高さの重要性
自分に合った枕の高さがわからず困っている人が多いので、どんな悩みを抱えているのかを確認してみます。
◆チエックその1:
□首筋が痛む
□肩こりがある
□頭痛がする
□腰痛がある
□めまいがする
□いびきをかく
□よく寝たのになんか疲れている
□熟睡できない
□姿勢が悪くなってきた
□手のしびれがある
1個でもチエックがついたら枕が原因かもしれません。
◆チエックその2:枕からくる不調
チエック1の内容のように首、頭、腰の痛み、いびき、肩こり・・・などのほかに猫背、首猫背、ストレートネックなど、枕が原因の不調は多々あります。
- 首が圧迫されるために、肩こりやいびきの原因になることがあります。
- 首の筋肉に思いがけない負担を強いています。
- いびきや呼吸器障害の原因にも。
こういったことからも、枕がいかに重要で睡眠の質だけでなく、その他にも身体に影響を与えるのがよくわかります。
理想的な枕の形状、その高さは?
枕をした状態で、ちょっと仰向けになってみます。
顔はやや斜め、およそ5度の角度になり、目線がまっすぐ真上よりも若干下に向かっている状態をキープできるのが理想形のようです。
それを維持できるのが、適切な高さだと覚えておきましょう。
後頭部が持ち上がっているなら、高すぎます。
後頭部が下がっているなら低すぎます。
高すぎると、のどが苦しく、首の痛みや肩凝りなどの原因になり、低すぎると後頭部が下がってアゴが上がるので、口呼吸になってしまいます。
理想的な枕の仕様
◆両サイドの高さは?
無理せず寝返りを打てるような両サイドがやや高いデザインが、横向きの姿勢のときにもベストな姿勢を保ちます。
◆後頭部については?
頭の後ろが当たる部分は、頭の形状から考えて、丸みを優しくキャッチできるよう、中央に少しへこみを持たせたものが良いです。
◆首を支える部分は?
首筋は優しく支えられなければいけないので、首の後ろのカーブにフィットした形状、つまりやや高めがおススメになります。
ですから、購入するときのポイントは下記のようになります。
自分の枕選び方:3つのポイント
◆ポイント1:枕の「高さ」と形状チエック
高すぎる枕を使っている人がとても多いようですが、立っているときと同じようにアゴが移動しない自然な位置をキープできる高さが良いです。
枕が高すぎることによって首が前に曲がり気道を狭くしますし、首のシワの原因になるだけでなく、呼吸も苦しくなるはずですから特に注意が必要です。
枕の両サイドの高さは、自分の首元部分+2~3cmを目安とされています。
◆ポイント2:「硬さ」でチエック
枕が柔らかすぎると、頭が沈み枕の両側が盛り上がり、頭が固定されるので寝返りが打ちにくくなります。
寝返りがしにくい枕を使っていると睡眠中に目覚めるなど熟睡できない原因をつくります。
◆ポイント3:「素材」でチエック
「通気性」「吸収性」のある素材を選ぶ
通気性の良い素材は就寝中に頭が厚くならないよう熱を逃がしてくれますし、
吸収性のある素材は、汗の吸収もよく不快な症状を抑えてくれます。
上記2点を考えた場合のおススメは「羽毛」と「そば殻」と言われています。
枕の高さと形状が体に合っていると、全身の力が抜けて気持ちよく感じることができます。
枕があることを忘れるくらい体と一体感があるものが見つかれば、最高です。
睡眠時無呼吸症候群も改善?
男性で肥満気味の人に多いと思われがちなものに睡眠時無呼吸症候群があります。
実は、やせ型の女性にも少なくない症状です。
睡眠中の無呼吸は、横になった状態でなんらかの原因によりのどが閉塞されて起きます。
つまり肥満男性は首まわりの脂肪がその圧力で気道がふさがれるでしょうし、やせ型女性の場合は、顎が小さかったり舌が大きかったりなどの身体特徴のために空気の通り道が狭くなるようです。
身体特徴においてここではどうしようもないのですが、ただ枕を適切な高さに調節することで、首をまっすぐに伸ばし気道を広げることは可能になります。
それだけでも、症状はかなり軽減するといいます。
気道を確保するために首がまっすぐ保たれるように適切な枕を用いることが必要です。
枕に関するちょっとしたポイント
朝、起きたときの枕の状況を確認してみてください。
◆その1・
枕がドーナツ型にへこんでいませんか?
もし、ドーナツ型にへこんでいたら首が不自然に反り返っている証拠です。
枕が柔らかすぎるのは、もっとも首に負担をかけるようです。
朝、起きたとき枕がドーナツ型にへこんでいたり、ずれていたり、枕の下に手を入れていたり、枕から頭が落っこちているなどがあれば、枕が不適合だと考えられます。
きちんと寝たはずなのに、朝に枕がずれているのは、睡眠中に体が「格闘」していた証拠なので、合わない枕の上で、必死に寝返りをしていたことがわかります。
◆その2・
なんと、人は寝ている間に20回ほどの寝返りを打つのだそうです。
その動きがスムーズにできるかどうかが、大きなポイントになります。
◆その3・
・枕選びで高さに迷ったら
枕の高さで、迷ってしまった場合は、低めを選びタオルケットで調整することも可能です。
まとめ
ここまで、枕についていろいろ考え、枕の高さが重要なこと、体の不調との関わり、さらには理想的な枕の高さの見つけ方など見てきました。
ぜひ、快適な睡眠を手に入れて、日々健康的に過ごしていきましょう。